Repair and Reconstruction

助手席フルパワーシートの作り方

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輸入した70 Supraのシートを元に20 Soarerの助手席パワーシートを作ってみました。残念ながら今回手に入れたシートが6-Wayだったために肝心のリクライニングがパワーではありません。色も塗ってありませんのでちょっと不細工ですが試作品ということで許してください。あなたも非力な彼女の為に作ってあげませんか。


20系Soarerは1986年1月、圧倒的なエンジンパワーと豪華装備で登場しました。しかし、それから14年も経過しているのですから現在の車と比べると見劣りしてしまう部分もあります。

その一つが助手席です。30系Soarerや現在の車は当然の様にパワーシートが標準装備ですが20系Soarerは前後、リクライニング、ウォークイン全てが手動です。隣の席の女の子が非力でリクライニングも出来ないのでは可哀想ですし、装備で負けているのはちょっと悔しいのでフルパワー化に挑戦してみました。

ただし、これはラグジュアリーシートではなく、スポーツシートの話です。


アイディアの第1段階として同じSoarerの運転席パワーシートの骨組みを利用することを考えました。しかし、運転席を分解して助手席と比較してみると改造するには相当の溶接や板金の腕がないと不可能と思われ、また、この方法ではリクライニングをパワー化することは無理であることが分かりました。

後日、アメリカ仕様Supraのシートを入手したところシートクッションの形状も違っていたのでこのアイディアは実現しても意味のないことが分かりました。

しかし、分解して左右を比較してみると運転席と助手席のシートバックは完全に同じもので互換性のあることがわかりました。つまり助手席に運転席のシートバックを移植しランバーサポートとサイドサポートだけを追加することなら簡単に出来ることがわかりました。


アイディアの第2段階としてアメリカ仕様の左ハンドルのSupraの運転席シート(つまり20系Soarerの助手席)を使うことを思いつきました。

ご存じの様に70 Supraと20 Soarerは共通点が多く、腰から下は殆ど同じで違うのは内装を含む上半分です。シートも若干形状は違いますがフロアへの取り付けは全く同じで、この方法なら限りなくボルトオンに近い状態で助手席パワーシートを実現できそうです。

後の問題は70 Supraのシートをどうやってアメリカから手に入れるかですが私の場合はオークションを選んでみました。Supraのシートを落札して送って貰おうと考えたわけです。オークションなら現物を画像でチェック出来るし、値段も安く入手できる可能性があります。私はこの方法でシートを手に入れることが出来ました。

注意することは20 Soarer後期型パワーシートを目指す場合は8-Way Powerseatと確認することです。前期型の場合はパワーリクライニングの無い6-Wayタイプということになります。色や表皮の材質は国内仕様と同じものを探すのは時間がかかるし、どうせ張り替えたり色を塗ったりしないと駄目だと思うのであまり関係ないと思います。

アメリカではシートの動く部分を数えるのにWayを使うようです。シート全体の前後、シートクッション前端の上下、後端の上下で6-Way、これにシートのリクライニングが加わって8-Wayです。


届いたシートを分解してSoarerの運転席と比べてみると完全に左右対称な構造になっていることが分かりました。アイディア1の方法は実現できたとしてもとても機能や外観の悪いものになっていたと思われます。

部品が手に入ったところで後は作業をするだけです。私の場合特に困ったことはありませんでした。20 Soarerの助手席と70 Supraの運転席を2つ並べ、Supraの運転席をベースに双方から適当に使用する部品を選びながら1つに組み立てれば出来上がります。

配線も運転席のワイヤーハーネスから電源その他を貰い、シートベルトの配線は元の助手席側のハーネスに繋ぎます。私の場合はランバーサポート、サイドサポートも移植したのでその配線もしました。配線コネクターはそのままでは使えないので車両側のコネクターをポンコツ部品で用意するか違うコネクターで作り直します。最後に色の違うところを同じ色に塗装すれば完成です。


問題点がいくつかあります。

シートの表皮のことです。作業に入る前からシート表皮は移植して使うつもりだったのですがパワーシートとマニュアルのシートでは形状が違っています。モーターなどのメカニズムが隠れるようにパワーシート用は裾が長く別布のカバーが付いています。これはどうしようもありません。きちんとシートにはフィットしますが覗き込むとモーターやヒンジが見えてしまいます。品番を調べて純正部品を手に入れることは可能と思いますが値段が非常に高いです。以前、運転席の革シートを張り替えた時には部品代だけで20万円近い金額でした。シートの張替専門店に頼むのも一つの方法かもしれません。

もう一つ、ウォークインのことです。これも問題があります。足踏みのペダルは加工することで取り付け可能な様ですがシートバックが倒れたのを検知してシートをモーターで前に移動する仕組みを追加しないといけません。30 Soarerの部品を流用して何とかしたいところですが今のところ未定です。


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This file Created 2002/08/15, Last updated 2002/08/15.