Pit Room HID Hi-Beam警告灯対策(Limitedを除く)
文責 アラム
注意:この記事には、3.0GT Limitedについては考慮されていません。3.0GT Limitedオーナーの方はこの記事を参考にしないでください。
20ソアラは、ヘッドライトの構造上、どうしても光量が不足してしまい、HIDに交換されている方も多くいらっしゃると思います。
しかし、HIDを接続すると、その弊害としてHi-Beam警告灯が点灯しないという事態に陥ってしまいがちです。
掲示板での報告では、ベロフ社のものでは確実にその症状に陥るようです。そこで、対策回路がありますので、そちらの方を紹介いたします。
以前の対策回路には不具合がございました。
さらにその対策方法を掲載いたしましたので、よく読んで対策を行ってください。不具合:パッシング等でHi/Loを切り替えると、ヘッドライトのヒューズが飛ぶ場合がございます。
(情報提供者&対策考案者 NaOさん)
ヒューズを5個ほど飛ばして調査していただきました。(感謝)■ 対策回路
Fig1 対策回路
車体側ハーネス | H4バルブに接続していたコネクタ (配線の色は運転席側にあわせてあります) |
Light +12V |
ヘッドライトがOnになる(Hi/Lo問わず)とバッテリー電圧がかかる |
LowBeam- | LoBeam点灯時にアースに落ちる端子 |
HiBeam- | HiBeam点灯時にアースに落ちる端子 |
市販A接点リレー | 市販のA接点リレー(1A対応)です。 (配線の色はエーモン製だとこんな感じかも) |
Fig1.1 対策その2 (2005.6.5追加 by アラム)
運転席のステアリングコラムに接続されている、ライトスイッチの上記の形のハーネスの3番ピン(赤)を切断してください。
元に戻せるよう両端をギボシにしておき、絶縁テープで絶縁するのがベストです。
さらに、安全のため、ヘッドライトヒューズ(ボンネット内のヒューズボックス)は標準では片側に付き15Aのヒューズが使われていますが、
電流値がHIDを使用することにより片側に付き2A下がりますので左右両方とも10Aに減らすことをお勧めします。
Fig1とFig1.1の両方の対策を必ずセットで行ってください。
冒頭で述べたとおり、ヘッドライトのヒューズを飛ばす可能性があります。 (2005.6.5追加 by アラム)
必要な部品
- H4オスコネクタ(平型ギボシオスx3で代用可)
- A接点リレー(1A程度のもの)
簡単に書くとこのとおりです。ただし、実際にはHIDのインバーターに接続されている配線がありますが、
HIDのメーカーによって接続方法が異なりますので、それは省略しています。
リレーはたいした電流は流れません(警告灯を点灯させる分だけでOK)ので1A程度のものを使えば結構です。
また、真ん中のコネクタは、通常手に入りにくいものを使っていますので、手に入らない場合は、平型ギボシオスで代用できます。
また、エンジンルーム内に設置する配線なので、防水はしっかり行ってください。
■ 対策回路の詳細
さて、このFig1の回路の意味ですが、以下のようになっております。
少々難しくなっておりますので、そこまで理解したくない方は読み飛ばしていただいて結構です。
Fig2と照らし合わせながらご覧ください。
- Hi-Beam警告灯がつかない理由
- Hi-Beam点灯中に、Hi-Beam警告灯に電流が来ていない(当たり前ですが)
- Hi-Beam警告灯はHi-Beam点灯中に、Lo-Beamのランプ経由で電流が来る
- 通常のバルブ使用時のHibeamの電流の流れは以下の2つのラインを通る(Fig2 Normal Hi)
バッテリー→Light+12V→バルブHi→HiBeam-→アース
バッテリー→Light+12V→バルブLo→LoBeam-→Hibeam警告灯→アース
(HiBeam点灯時、Lo側のアースの電流が警告灯に流れて、点灯しているという仕組みになっています)
- しかし、HID装着時Lo-Beamランプ経由で、電流が戻ってこないのでHi-Beam警告灯に電流が流れない(Fig2 HID)
- 対策の意味
- HiBeam点灯時にLo側にも電流を流すことにより、警告灯を点灯させる(Fig2 HID NEW Hi)
Fig2 それぞれの回路図
太い線 | 電流の流れ |
+12V | バッテリ-電圧 |
LightSW | ヘッドライトがOn(Hi/Lo問わず)になると閉じるスイッチ |
H4-LUMP | H4バルブ(通常のヘッドライト) |
HID | HIDのバルブ(およびその付属回路(インバーター・バラスト)) |
RELLAY | 今回追加したリレー |
HiBeam | HiBeam警告灯 |
SW-Lo | LoBeam点灯時に閉じるスイッチ |
SW-Hi | HiBeam点灯時に閉じるスイッチ |
GND | 車両アースもしくはバッテリーマイナス端子 |
■ 不具合と対策について
冒頭で述べた不具合ですが、対策で用いているリレーには、遅延時間があり、HiからLoに切り替わるときに車両側のLoスイッチが
閉じられているのに電流は流れたままになってしまうタイミングが発生してしまいます。
遅延時は、下図のリレー遅延時のように電流が流れます。
このとき、Lo側は負荷がまったくない状態ですので、短絡状態(ショート)になってしまいます。ショートしたときは保護回路となっている
ヒューズが飛んでしまうわけです。そこで、対策回路としては、Lo時に電流がまったく流れなくするよう、配線をカットしています。
これで、ショートが発生することもございません。
Fig2.1 Hi→Lo切り替え時ヒューズ切れ対策回路一応、上図の対策回路でHi→Lo切り替え時にヒューズが飛ぶ現象を回避できることは実車で確認しております(母数1)。
(2005.6.5追加 by アラム)
■ おまけ
また、ベロフ社のHIDの場合、プラスコントロール車用のハーネスと、リレーが付属していますが、それを利用した対策回路も作成できます。
そちらの配線図も載せておきます。
こちらの方は、実際作成してみると、HIDに同梱されていたハーネスではないかと思うほどきれいにできるので、結構お勧めの方法です。
Fig3 ベロフの付属ハーネスとリレーを使った対策回路
こちらの回路は、ベロフ社のHIDに付属するのリレーとハーネスをつなぐコネクタと同じコネクタを入手できるとすごくきれいに作成することができます。
私は、秋葉原のマルツパーツ館 秋葉原店にて購入できました。
コネクタが手に入らない方は、平型ギボシを使っても同じものが作成できますが、エンジンルームに装着するものですので、防水の方をしっかり
やる必要があります。現物はこちらです。
(Fig3の配線図とは接続が若干異なっていますが、まったく同じ動作をします。)
■ おまけ2
対策回路と、HIDの接続回路を両方まとめた回路図を書きましたので、参考のために載せておきます。
ただし、コラムのライトコントロールスイッチの配線カットも忘れずに行ってください。
Fig5 HID接続回路+対策回路1 (HIDの制御にリレーを使わない場合)
Fig6 HID接続回路+対策回路2 (HID制御リレーが1つのとき)
Fig7 HID接続回路+対策回路3 (HID制御リレーが2つのとき)
最後に、HIDという高価なものを取り扱いますが、改造は自己責任でお願いいたします。
この記事どおりに作成したらHIDが壊れた、車が壊れたなど不利益があったとしても
当方は一切責任を負いません。